近年、政府は2022年度の、レベル4(有人地帯での目視外飛行)でのドローンを使用した宅配サービスなどの商用化の実現へ向けた航空法改正に動いています。
しかし昨年はドローン関連のトラブルが増え、メディアでも取り上げられていました。関西国際空港周辺でのドローンの目撃情報があり、滑走路の閉鎖や飛行機の離着陸の停止など、大きな影響があったことは記憶に新しいですね。
2021年度には、ドローン(無人航空機)の登録を義務付ける方針を固め、登録をせずにドローンを飛行させた場合は罰金を科すとしています。
氏名、住所、メーカー等の必要情報を国土交通省に提出した上で、付与する番号を機体に表示するシステムを想定しているようです。(車でいうナンバープレート)
海外では既に登録が義務付けられていたり、ドローンを飛行させるにあたってライセンス(資格)が必要な国もあります。
例として下記5ヶ国のドローンの登録制度・ライセンス制度についてご紹介いたします。
①アメリカ
・アメリカ連邦航空局(FAA)にて機体登録を義務付けられており、機体番号を機体の見える位置に貼らなければなりません。
・商用目的でのドローンの飛行にはFAAが規定するドローンパイロットライセンスを取得する必要があります。
②台湾
・台湾交通部民用航空局(CAA)にて、250g以上のドローンの登録が義務付けられています。
・15kgを超えるドローンは免許が必要となり、機体と操縦者の登録が追加で必要となります。
※2020年3月31日以降は2kg以上のドローンに対して、上記の免許制度が導入されます。
③オーストラリア
〈ドローン規制は大きくレクリエーション目的(趣味)と商用目的に分かれています。〉
レクリエーション目的の場合:
・機体重量の規制は特にありません。
・ライセンスの取得は必要ありません。
商用目的の場合:
・機体重量が2kgを超える場合、ライセンス(RePL)取得・オペレーター証明書(ReOC)取得が必要です。
・航空照会番号(ARN)取得が必要です。
④タイ
・カメラを搭載している全てのドローンは政府への登録が必要です。
・2kgを超える全てのドローンは政府への登録が必要です。
・登録と引き換えにタイの民間航空局(CAAT)より飛行ライセンスが付与されます。
・ドローンは電波を使用し操縦をおこなうことから、全国放送通信委員会(NBTC)への機体登録も必要です。
⑤中華人民共和国(中国)
・中国民間航空局へ実名の登録が義務付けられています。
・250g以上のドローンの機体登録が義務付けられています。
・機体登録の際に発行される二次元コード(QRコード)を機体に貼付しなければなりません。
このように、登録制度・免許制度については国により様々です。
また、日本は諸外国に対して遅れをとっている状況だということも分かると思います。
しかし日本の技術力は世界でも高い評価を得ています。Made In JAPANのブランド力は、諸外国において我々が想像する以上のものがあります。
法改正により国内でドローンの活用が活発化していくとともに、日本が世界に誇る技術力も存分に発揮できることでしょう。
第三者への安全性を確保する機能を備えた機体開発、運航管理のシステム構築等など課題は多くありますが、ドローンの登録制度はその解決に向けた第一歩になるのではないかと思っています。
また登録制度の導入はドローン関連の事件を減少させ、皆さんの安心にも繋がるのではないでしょうか。
航空法の改正がどの様に進んでいくのか注目しております。