AGLが注力しており、日々当たり前のように接しておりますハイブリッドドローン(以下HBD)ですが、この業界でもまださほどポピュラーではなく、商談などでも一通り説明した後で「ところでHBDの仕組みは?」などと改めて質問されることも ( ゚Д゚)エッ?
ということで、今回はその仕組みを簡単にご説明しようと思います。
「通常のドローンがバッテリーを積んで飛ぶところを、HBDはバッテリーの代わりにエンジン発電機を積んで飛ぶ」
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……もう少し詳しく説明します(^^;
一般的なドローンは電気でモーターを回すことにより、直結するプロペラが回って空気を押し下げ、浮き上がります。また、浮き上がってからのあらゆる動き(姿勢制御)は各モーターの回転を速めたり遅めたりと個別に制御することで行います。(ギヤも減速機もない→意外と構造がシンプルで全体としてのパーツ数も少ない→軽量かつ故障因子も少ない)
一般的なバッテリードローンは、文字通りバッテリーから電力が供給されます。Li-Poバッテリーの出現など、それなりの進化を遂げているとはいえ、まだまだそれはドローンにとっては「重いもの」です。同時に、扱い方を間違えたり衝撃を与えたりすると発火の危険もあり、充電ひとつとっても専用の充電器が必要で、時間はかかるし神経は使うし、といった不便さがあります。
しかもそれだけ手間かけ神経使ってバッテリードローンの実質的な飛行時間は概ね10~20分。長時間の撮影や作業となると、例えば丸一日なら10セットかそれ以上のバッテリーを満充電の状態で準備しておく必要があり、さらには経年劣化で満充電のレベルも下がっていく(スマホや携帯と一緒ですね)など、実用上はなかなか困った代物なのです。もちろん購入や買い替えのコストもバカになりません。
では、バッテリーの代わりに何か電力供給出来るものはないのか?
え何?売ってたの!?「ドローン用ガソリンエンジン発電機」マジで?
と気付いたのが今から約2年前。早速AGLは開発をスタートし2018年1月に完成、同3月にはJapan Drone2018に「AeroRange1」をドーン!と出品し、皆様からの質問攻めに遭ったものでした。
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この発電機、本体重量は4~4.5kg+燃料(4Lで約3.2kg)と決して軽くはありませんが、大型ドローンと組み合わせることにより、180分の飛行時間と概ね2~4kgのペイロード(注:燃料満タン時で2kg、1L程度なら4kg)を手に入れたのです。
エンジンを積むことで発生する振動の影響など課題は多々ありましたが、AGLは〇〇により何とか克服してきました……他社さんが苦労しておられるかも知れないので一応秘密にしておこう(*’▽’)ウヒョ
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話を戻して「飛ぶ仕組み」です。
HBDは、その語感からトヨタさんのプリウスのような仕組みを連想することもあってかよく勘違いされる「エンジンから直接動力を取る?」ということはなく、あくまでも発電した電気でモーターを回すことにより飛んでおります。これは日産さんのe-POWERシリーズによく似た仕組みです。AGL製のAeroRangeシリーズは、主に非常用として小さめのバッテリーを積みますので、ハイブリッドと呼ぶようにしました。
『いやいや、エンジンの動力をそのまま使えばパワーロスが少なくて良いのでは??』
「はい、確かにそうなんですけどね……」
エンジンの軸出力はドローンの飛行に求められる精緻なコントロールが難しく、そこに膨大な開発費用と時間を要してしまいます。ラジコンヘリでは、エンジンから取り出す軸出力は一定としたうえで、複雑な機構を用いてメインローターとテールローターのピッチ(プロペラの「ねじれ具合」)を変化させながら姿勢制御を行っておりますが、ドローンとなるとローター数が6、8(またはそれ以上)となりますので、これらを個別にピッチコントロールするとなると、かなり大変なことに……
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おっと、まだまだ説明したいのですが規定文字数を大幅にオーバーしそうですので、本日はこの辺りで。
最後までお読み頂き有難うございました(^^♪